橋本市 中野メリヤス工業株式会社

  • Mar. 2016
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  • ショップ・オフィス・他
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  • リノベーション

パイル織物の産地として名を馳せた、和歌山県の高野口。老舗の生地メーカーで工場兼事務所として使用されている二階建て倉庫をリノベーションした物件です。

若き二代目である施主様の「地域のコミュニティの場を作りたい」という思いを実現化するため”レンタル&ギャラリースペース kiito”を設計・施工。老朽化したバルコニーにはグリーンが配置され気持ちの良いオープンスペースになりました。

製品を運んでいた大型階段やレトロなタイルなどはそのまま活かし、昭和生まれのガラス・学校風の吊看板・フランスや日本のアンティーク建具や窓を新設。”古い西洋風の小学校”のような清楚なモダンさのある空間に。エイジング加工や防塵塗料、古い造作ならではのテクスチャや紋様の”風合いのあるシンプルさ”も空間に温かみを添えてくれています。長廊下やガラスの透過作用で気配を感じたり、にぎわいを共有できる仕掛けと演出も行いました。

「若い世代に地域産業に興味を持ってもらい、産業や伝統を受け継ぎ・支え合う場所を」という施主様が未来に種をまいた、育ち合いの空間です。

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風合いのあるエイジング塗装のエントランス[1]

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左手、グレーのドアが会社事務所への入口

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アンティークドアをパーテーションに

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既存のままを活かした階段に木製ロッカー

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階段を上がりドアを開けると、ショウルームやレンタルスペースへとつながる廊下へ

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ショウルームの入口[3]

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学校風吊り看板

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ドアにはシルエットがうっすら見える泡ガラス

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ヴィンテージのドアハンドル

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たくさんのフェイクファーが並ぶショウルーム

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本物と間違えるような上質なフェイクファー

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フランスのアンティークドアからのぞくキッチン

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レンタルスペースのキッチン。料理教室などを前提とした空間に[2]

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和室の押し入れを活用した収納スペース

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足場板の床材。心を穏やかにするスモーキーな色合いと質感

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フランスや日本の古い建具がなじむ空間

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賑わいを感じ取れる窓の配置

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小学校を思わせる長廊下にレトロな照明

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キッチンの窓からの眺め

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ショウルームの前にはバルコニーへとつながるギャラリースペース

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老朽化していたバルコニーは防水処理を施し、大型の窓へ変更。気持ちの良い空間に[4]

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既存のタイルを残した洗面スペース

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アンティークのトイレドア

Description

キーフィーチャー
  • 二階建て倉庫のフルリノベーション
  • コミュニティ提案のギャラリー&レンタルスペース
  • ”昔の西洋小学校”風モダンデザイン
  • 古いタイルをそのまま活かしたキッチンと洗面
  • 既存階段や吊看板・足場板廊下の温かいレトロ感
  • フランスと日本のアンティーク建具や窓の融合
  • 気配やにぎわいを共有できる仕掛けのガラス窓
  • 細部の素材やディテール、色調までのこだわり
オーナーの希望
  1. 人工的ではなく手作り感や温かさを感じる空間や、古いもの・シンプルなものが好き。そんなほんわかとした雰囲気に。
  2. 人員の高齢化とともに近年下降気味で、後継者も減少している地域産業のためになることをしたい。若い世代に地域産業へ興味をもってもらいたい。そのために人が集まるきっかけの場となるような、レンタルスペースやギャラリーを作りたい。
  3. 2階にある事務所を使い勝手良く、1階へ。既存のショウルームはそのまま残して、2階に人が集まる基地を集約させたい。
  4. バルコニーの老朽化を直し、人が集まれる場に。その際バルコニーはガーデンにいるような、緑豊かな気持ちの良い空間に。
Folkからの提案
  1. 古いもの・清らかでシンプルなものがお好きな施主様ご夫妻。系列のショップ、ANTRYとも長いお付き合いで、アンティークの家具や道具も沢山集めてくださっていました。今回のリノベーションは「人が集まるオープンな場」ということを第一に考え、”昔の西洋風の小学校”というコンセプトに。アンティークの建具やガラスや家具はフランスと日本のものだけをセレクトし「古い工場・清楚でモダンな施主様のお人柄・エレガントな自社製品」の世界観を融合させました。 今回の施工は、既存の壁を存分に活かしたのもポイント。和室だった場所の左官下地の壁や床の間、柱などを白くペイントし、古い造作ならではの豊かなテクスチャを浮き立たせました。キッチンや洗面に残っていたレトロなタイル、製品を運んでいた大型階段はそのまま残し、良い情景を演出するという意味と、コストを抑える意味の二点で良い効果を生みました。1階は廊下の床にはベージュの防塵塗料、壁面は左官調のアンティーク塗装。2階には珪藻土やエイジング加工の塗料などを施し、風合いのあるシンプルさを目指しました。[1]
  2. レンタルスペースやギャラリーを勉強会・体操教室・写真展・・などフレキシブルに使えるよう、既存の間取りを活かし、作りこまず開放的に。また、キッチンをキースペースとして提案。料理教室ができるのはもちろん、様々な用途の際にサロンとして居心地がよく、地域の人々に愛される場として定着することを狙いました。キッチンは三方向から透過性があり、人が集った際に賑わいを感じ取れる中心の場になる仕掛けもしています。 [2]
  3. 開かれた場として提供するので、1階に廊下を新設し、そこから事務所内が見えないように設計。2階のパブリックスペースへ上がる階段下で靴を脱ぐ動線にし、その手前にアンティークの大型ドアで仕切りをつくりました。上質なフェイクファーの世界観に合わせ、仕切りから手前は、”着飾らない上質なおしゃれを知っている大人の女性”のイメージで遊び心を盛り込み、階段から上は”昔の西洋風の小学校”のような空間デザインにしています。 今回のリノベーション以前に施工しておられたショウルームにはカフェ窓と、ガラス窓付き造作引き戸を新設。廊下側から見て、公共空間風な演出をする役割と、賑わいを感じ取れる作用を狙いました。シルエットがうっすら見える泡ガラスで、商談も行うショウルームのプライバシーを守れるようにしています。[3]
  4. 雨漏りがするほどに老朽化したバルコニーには床の防水処理と塗装、柵の新設を行いました。バルコニーに通じる二つの掃き出し窓は、窓枠をくり抜いてサイズの大きな引き戸をはめなおし、室内と地続きのように一体化させ、安定感を生みました。[4]
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物件名 中野メリヤス工業株式会社
物件所在地 橋本市
物件タイプ ショップ・オフィス・他
請負タイプ リノベーション
完工年 2016年
施工期間 約2か月半
面積 約392㎡
1F 196㎡/2F 196㎡
工事費 約2000万円(設計料含む)
外構費含む